農地確保のためには植林が必要だと唱えて、それを実践した「エンリコ-ミリウス-ダルガス」という人がデンマークにいました。その植林の研究の根気に敬意と興味を持ちました。現在の日本にはその後の情報はほとんど届いていないので見てこようと2009年4月28日から5月19日の間、撮影をしてきました。
写真のアップまでもう少しお待ちください。
彼国では隣国ドイツとの戦争により1864年、国土の1/4程を失いました。その時に「外で失ったものを内で取り返す。」と元軍人のダルガスが言い出しました。それは領土は失われたけれど、国内の農業の生産性を上げて復興しようということです。彼国にはヒースと呼ばれる広大な荒れ地がありました。ダルガスはそこをまず耕地に変えようと考えました。それには水と植林が必要でした。
地下水の豊富な彼国では水は確保しやすかったのですが、植林には膨大な研究が長年にわたって必要でした。まずいろいろな樹種の植林を試みますが荒れた砂地に育つ木がありません。やがてノルウェーのもみの木が育つことが分かりました。それでも5、6年すると枯れてしまいます。そこでアルプスの小もみをノルウェーのそれとの間に植えると、この2種類のもみはいっしょに育ち出しました。そこでまた20年程するとそこから木は成長を止めてしました。この時の研究はダルガスの息子のフレデリックよるのですが、この時点でアルプスの小もみを切ってやるとノルウェーのもみの木はそこから更に成長することを突止めました。
ところで植林と耕地と結びつきにくく思う方もいらっしゃるかと思いますが、彼国では常に強い西風に曝されて耕作をするには防風林が必要です。また木は土地の保水力を上げます。
この話は内村鑑三が約100年前1911年の講演で日本に伝えています。
デンマーク・モビール:http://www.denmark-mobile.com/denmark/denmark.html
青空文庫:http://www.aozora.gr.jpcards000034files233_2992.html